【家庭菜園】トウモロコシ大量収穫を目指して…【管理・鳥害対策】

今年もいつものように市民農園にて野菜を育てている私ですが、せっかく趣味でやっているのに毎年同じような野菜ばかり作るのもなんだかなあと、初めてトウモロコシを作ってみることに。

栽培に当たって調べてみると、鳥害が多いとか、肥料管理が難しいとか、多くの野菜の中でもかなり栽培難度が高い方とのことで、更に色々見ていると、なんと「基本は一株に1本しか実をつけられない」なんて記載も。

ただでさえ場所の限られる家庭菜園。例えば10株植えたとしてこの通りに作れば10本しか採れない。
種から育てるにしても管理に手間がかかることを考えれば、これではあまりに馬鹿馬鹿しく、買った方が断然良いのではと考える人がほとんどでしょう。
しかし、採りたての甘いスイートコーンを満足いくまで堪能したい、というのも、家庭菜園の夢の一つ。いや、むしろ自分が食べたいだけか。

というわけで、何とか得をしようと本や栽培指南を読み漁り、結果、一株から二本以上収穫することが出来たので、今回はその方法についてまとめて書いていこうと思います。

播種・植え付けについて

まず、今回栽培するにあたり、前述のように苗から作るとなると高くつくため、種からの栽培を選びました。

https://www.monotaro.com/g/01000975/
↑この記事で栽培しているピーターコーンの種。2本採りを目指すのに特に品種は関係ないため、好きなものを選びましょう。

ポットで育苗するのが一番確実ですが、スペースがない or 面倒な人は直播でも可。
ただその場合は鳥につままれる可能性が高いので、播種後に不織布やネットをベタ掛けにすると良いです。

後で詳しく書きますが、トウモロコシは多肥を好むので播種前にしっかりと堆肥・化成を入れておきましょう。

追肥・土寄せについて

まずは二本採りにおいて最も重要な追肥・土寄せについて。

通常の栽培方法では本葉が5~7枚程度のときと、雄穂が出始めたころの二回追肥し、その際に土寄せも行うことが多いですが、しっかり太った実を二本以上採るためには、これに加えて本葉3~4枚頃にも追肥を行うことが重要です。

また、土寄せも通常以上にしっかりと、施肥後に子葉が隠れるくらいまで土を被せます。

とうもろこしは生育の途中で株元から脇芽が何本か出るのですが、これも除去せず残すことで、土を寄せた部分にも根っこがしっかりと出て、倒伏防止と同時に肥料を吸収する力もしっかりとつく、というわけです。

とうもろこし
まだ若いトウモロコシの株。中央の種子のほか「分げつ」と呼ばれる脇芽がいくつか発生しているのが分かる。

鳥よけ・アワノメイガ対策

次に害虫・鳥害の対策について。

トウモロコシにはアワノメイガという蛾の幼虫がよく付き、むしろこの虫以外にはせいぜいカメムシが茎を吸うくらいでほとんど敵はないくらいなのですが、その天敵の少なさを補うかのごとく、まず確実と言って良いほどにこの虫を防ぐことは難しいです。

農家の場合は薬を撒いて防除するのですが、せっかくの家庭菜園なので無農薬でやりたいという人も多いと思いますので、その場合の対策は

目の細かい防虫ネットを張る

トウモロコシを食べるのはアワノメイガの”幼虫”のため、成虫に卵を産ませないことが対策になります。成虫は大体1.5cmくらいなのでそれより網目の細かいネットを張れば、やつらは近づくことすらできませんし、同時に鳥よけにもなります。

ただし、あまりにもネットと株の距離が近いと、網目越しにでも葉に接触出来てしまうのである程度距離をとってやる必要があります。

雄穂をしっかりと取り除く

害虫であるアワノメイガはトウモロコシの雄穂(株の頂点に付く花)に誘われるため、それを早い段階で取り除けば食害を減らせます。

とは言え、雄穂から出る花粉が実につくことでトウモロコシになるわけで、あまりに早い段階でとってそのまま捨ててしまっては意味が無く、花粉が出始め除去すると同時に人工授粉(果実のひげに花粉を振りかける)をすませるまででワンセットの作業になります。

とはいえ、トウモロコシは分げつからも雄穂が発生するので、一株二株ならまだしも、露地で全ての株から早い段階でそれを取り除くのは不可能に近く、この作業は『害虫を完全に防ぐ』のではなく、あくまでも”減らす”ことが目的であることを理解しておきましょう。

※害虫について詳しくは→https://www.agries-nagano.jp/pest/128.html

確実に手作業で捕殺する

アワノメイガがついていれば葉や茎に糞をするため、軽く観察すれば食害されているかどうかを簡単に見分けられます。


食害跡には食べかすと糞が残る。

奴らは葉や茎、雄穂から進入するのですが、糞のある場所を辿っていけば必ず幼虫がいるはずで、それを見つける度に捕殺すれば私たちが食べる、実(雌穂)になる部分は守ることが出来ます。

アワノメイガは人に対して攻撃手段を持っていないので、手で捕って踏み潰す、というのが最も簡単で確実です。
ただ、どうしても虫に触りたくないという人は割り箸などで摘まみ、容器に入れて水没させる、または埋めてしまうのも良いでしょう。

 

と、この3つが害虫対策としては一般的な方法でしょうか。

また、鳥害については前述のようにネットを張ることが一番確実な方法です。

ただ彼らは虫とは違って実だけが目的なので、株の節辺りに半透明の釣糸などを張り巡らせることでも羽に絡まるのを恐れ、食害を減らせます。


仮に釣り糸を張っても、実の付く角度なども影響するため、完全に鳥害を防ぐのは困難。

おわりに

本記事では主にトウモロコシの食害・追肥についての注意を書きました。

はじめは栽培方法の全てを順に書こうと思ったのですが、それだと膨大な文章量になりますし、そもそもちょっとネットで調べれば出てくるものと同じことを書いてもなあ、と考え、株あたり2本以上収穫するために特に注意するべき点のみを出来るだけ詳細に記載しました。
ですので、まずは普通の栽培方法を読みつつ、プラスアルファでこの記事に書いてあることを実践していただく、というようにしていただければ本意です。