アク抜きなしで食べられる。美味しいシダ山菜”コゴミ”を採りに行こう!

山菜の中でも最も有名なものの一つであるコゴミ(クサソテツ)。
去年は残念ながら一本も見つけることが出来ませんでしたが、先日、まだネットリテラシーの低い時代に書かれたであろう個人ブログ(むしろHPと言うべきか)を頼りに遠征してみたところ・・・

売るほど生えてました。

というわけで、今回はこの”コゴミ”を採って食べるまでの様子を記事にしようと思います。

コゴミの採取…ひたすら河川敷を散策する

まず、そもそもコゴミというのはワラビやゼンマイなどと同じ”シダ植物”の仲間なのですが、他のシダ山菜類が主に山や林内で採れるのとは異なり、本種は河川敷などの水辺に生えることが多いようです。

そうとは知らずに去年の私は山をずっと歩いていたので、これは見つからないのが当然ですねw


雑草の生い茂る河川敷。コゴミを探すならこういう場所がねらい目である。

実際に今回コゴミを見つけたのは、かなり川幅の広い一級河川沿いの茂みの中でした。
シダ山菜の中でも、ワラビは日当たりの良い場所、ゼンマイは日陰のジメジメした場所、とそれぞれ生える条件がだいたい決まっているのですが、コゴミに関しては水辺ならば割とどこにでも生えるようで、橋の下や木陰などでもお構いなしに群生していました。

ちなみに秋~早春にこのような独特の形の枯れ葉を見ることがありますが、これはコゴミの胞子葉が枯れたもののようです。画像を見ても分かる通り根元からは新芽がどんどん芽吹いていますね。

これはかなり目立つので冬頃の下草の少ない時期に探せば、容易にコゴミの採取ポイントを見つけることが出来るでしょう。
多分これが一番早いと思います(フラグ)


切り口を鼻に近づけると、ワラビと同じく粉っぽいような独特の香りがする。

採取する際の方法ですが、基本的には葉の開いていない小さなものを手で扱くように折り取る…と言うのが基本になります。
新芽は非常にやわらかく、何の抵抗もなく綺麗に採れるので他の山菜類のようにナイフやハサミを持ち歩く必要もなく、山菜採りあるあるの突然の職質に怯える必要もありません。なんと素晴らしい!

ただし、コゴミが生えるような河川敷にはクコ(果実が杏仁豆腐にのっていることでお馴染み)などのトゲを持った低木が生えていることも珍しくなく、無防備で歩くと今回の私のように手が傷だらけになってしまうので、手袋くらいはしておいた方が良いかもしれません。刺さるとなかなか取れないんだよね、アレ。

あと、ついでにもう一点。
コゴミは数ある山菜の中でもかなりメジャーな部類であるため、よほどの穴場でなければ上の画像のような”すでに折り取られたあと”を目にすることもあるでしょうが、このような株からはたとえ他の新芽が出ていたとしても採取せずに、来年また元気に発芽してくれるよう祈りながらスルーしましょう。
まあ最低限のマナーと言うやつですね。シダは強いのでよほどの事が無いと枯れないと思いますが、一線は守っておかないとどんどんエスカレートしてしまって、しまいにはルールが崩壊してしまうのでね。

コゴミを美味しく食べる!オススメの調理法は?


コゴミのほか、セリやノビルも繁っていたので採ってきた。河川敷は八百屋だった・・・(錯乱)?

さて、ある程度の満足できる量が採れたら、持って帰って実際に食べてみましょう。家に帰るまでが遠足だと言われるように、山菜採りは”調理して食べるまで”の過程を踏んで初めて山菜採りと呼べるのです。
たまに十分な量が採れなかったからと言って、その辺に捨てて帰る人がいるらしいですがアレは最悪ですね。採ったものは責任を持って食べきりましょう。

本格的な調理に入る前に、まずは味を確認しておきたいのでコゴミの定番レシピらしい”こごみマヨ”というのを作ってみました。
茎を丸ごとサッと茹で、マヨネーズを付けて食べるというお手軽料理。Twitterで教えて頂いた通り、マヨネーズにはワサビを混ぜてあります。

気になる味は・・・
ほう。

食べる前からクセが無い、クセが無いとは聞いていたのですが、これは予想以上ですね。というかマヨネーズに掻き消されて、ほとんど”コゴミ自体の味”というのが感じられません。
じっくり噛んでいると何となくほんのりとした苦みのようなものがあるような、無いような、というような状態ですが、まあ確かに強めのヌメリがあるので、それが個性と言えば個性なんでしょうね。

と、コゴミ自体にはほとんど風味などなく、良く言えば山菜どころか野菜嫌いの人でも食べられるような食材である、と言うことが分かりました。
クセが無いのは良いことですが、こうなってくるといつもの”特徴を活かした調理”という方向性が難しくなってきますね…なら、もういっその事、濃いめの味付けで歯ごたえとヌメリのみを楽しむようなイメージで作っていきましょうかね。

まずは採ってきたコゴミをサッと洗い、一口サイズに切ります。
茎の根元の方はちょっと固かったので、気になる方は取り除いても構いません。


茹ですぎると歯ごたえが無くなるので気をつけましょう。

次にそれらを塩を入れた沸騰したお湯で1分間ほど茹でた後、冷水にさらします。
これはコゴミの一般的な下処理の過程ですので、調理前や、冷凍保存する際にも同様の処理を先に行っておきましょう。

ごま油を敷いた熱したフライパンで先に豚バラ(200g)を炒めます。

炒め終わった豚肉はバットなどに出しておき、再びごま油を敷いたフライパンで白ネギ・ニンニク・生姜を炒めて油に香りを移します。
私は白ネギの代わりに採ってきたノビルを入れ、ついでに香菜のイメージで刻んだミツバも入れました(これも自分で採取したものです)。

ミツバもパクチーと同じセリ科の植物なので、野生種の中でも特に香りの強いものは似たような香りがするんですよね。私もあまりパクチーが好きだという訳ではありませんが、まあ少しくらいなら…ね?

そこに豆板醤・味噌を小さじ2づつ加え、全体がまんべんなく色づいたら水70cc・酒小さじ2・醤油少々・片栗粉小さじ2を加え…

最後に先ほど炒めた豚肉とコゴミを弱火で熱しながらタレに絡ませれば完成!
さっそく頂いてみましょう。

コゴミと豚バラの中華炒め。
いただきまーすΨ(。・∀・。)Ψ

・・・これは文句なく美味い!

やはりコゴミ自体にはあまり際立った味が無いため、タレと絡ませて食べることでシャキシャキ&ヌメヌメとした独特の食感を感じつつことができ、箸が進みます。ちょっと濃いめにすればご飯にも良く合うでしょうね。

まとめ

今回は文量的な問題から一品のみの紹介となりましたが、調理の方向性的にはある程度定まったと思います。
私が以前にみた動画内ではサーモンなどと合わせてパスタにしたりと、やはりクセが無いからか洋風な料理にも良く合うようなので、たくさん採れたら色々な調理法を試してみるのもまた楽しみの一つかと。

コゴミ自体はある程度きれいな川であれば、特に珍しくもないような山菜ですし、わざわざ山奥に入らずとも採れるので山菜採り入門としてはかなり好条件な植物ですので、皆さんもどうぞ試してみて下さいね!