ヤブカンゾウの蕾はみんなもっと食べるべき

夏になると食べられる野草は非常に少なくなり、普段自然の恵みを享受することを趣味としている人たちも、徐々に釣りやキノコ狩りに移行し始める。

そんな中、この時期に美味しく食べられる貴重な山菜の一つにカンゾウ(ワスレグサ)がある。


ヤブカンゾウの蕾と花。八重咲の目立つ花とバナナのような特徴的な蕾ですぐに見分けられる。

この植物は日本全国の河原や堤防・田んぼのあぜ道など身近な場所で見られ、匍匐茎で増え種子を作らない。そのため群生して生えることが多く、一度に多量に採取できる事を考えると食材の一つとして非常に有用だと言える。

更に同種の蕾は中国では「金針花」と呼ばれスープの具などに重宝されているとのこと。

味も良く、身近な場所で多量に採れ、絶滅の心配もないとなればもっとメジャーになっても良い山菜だと思うのだが、少なくとも筆者の近辺では採っている人を見かけたことがなく図鑑などでもタラの芽・ふきのとうなどと比べるとなんとなくサラッと紹介されている感は否めない。

今回の記事ではこのカンゾウの素晴らしさを伝えるために、蕾を採取して実際に調理し食べて見ようと思う。

いろいろ試してみる

とりあえずツーリングついでに道端に生えていたものを軽く採ってきました。

中華料理などで通常利用する際には、一度蒸してから食べることが多いそうなのでまずはそれを試してみましょうか。

蒸し

少量のために蒸し器を出すのも面倒なので、ヤマザキの中華まん専用レンジ蒸し器を使用(何年か前に肉まんを買ったときに付いてました)。

で、水を入れて500Wで2分温めると

・・・まあ、見た目は良くないですが、大事なのは味ですよ。

マヨネーズをつけていただきま~す

なるほどなるほど。

噂には聞いていましたが確かにアスパラガスに近い味がしますね。甘味は比較的少ないですが。

特に外側の皮(?)のあたりにあるヌメリによってアスパラ感が増しています。

確かにこのままでも美味しいは美味しいですが、中華料理で使われていることからも分かる通り、単体で食べるよりも料理の一部として使うとより特徴が活かせる気がします。

野菜炒め

という事で、白菜・卵と一緒に中華風に炒めてみました。

なんか見た目汚いですが、家で食べる中華料理なんてこんなもんでしょう()

ちなみに香りは王将のチャーハンそのものです。

味は・・・蒸しで感じたアスパラっぽさはほとんど消えてるものの、ごま油と創味シャンタンで炒めただけにしては美味しいですね。かなり濃いけど。

お米が欲しくなる味です。それこそチャーハンに混ぜてもいいかな?

天ぷら

最後は偉大な先人たちによる”揚げれば食える”の精神に基づき天ぷらにしていきます。

つっても市販の粉つけて揚げるだけですが。

完成。

ある程度成長したものは揚げている途中に蕾が開いてきて油が跳ねるためやりにくいので、若い蕾のみを使うと良いでしょう。しかし、味に関しては適度なぬめりと甘みがより強く感じられて今回試した中では1番美味しいですね。

フライパンで揚げれば、使う油も少量で済むためおすすめの調理法です。

ここまで基本的な調理は試してきましたが、ヤブカンゾウは春の新芽に始まり、蕾・花もクセがなく美味しく食べられるので食べて見て損はないんじゃないでしょうか