野生のからし菜から自家製マスタードを作ってみよう!
河原などでよく見られる山菜の一つにからし菜という植物がある。
この植物は野菜として栽培もされていて、スーパーなどでも普通に売っているためほとんどの人が知っていると思うが、この植物は6月の下旬。ちょうど今くらいの季節になると、全草が枯れてしまい初夏の草木生い茂る河原の中では非常に目立って見える。
↑近所の河原に行けば目に見える範囲だけでも大量にある。
そして、この状態のからし菜は大量に鞘をつけており、ここからとれる種を使うとなんとマスタードを作ることができるというのである。
これほどそこら中にあって誰も採らないものから汎用性の高い調味料が作れるというのなら試さない理由はないだろう。
からし菜の見分け方と収穫方法
見出しにはあえて見分け方という風に書いたが、からし菜自体が大きさも2mほどあって単純に目立つほか、近くによると種を大量につけているので実際に行ってみれば一目でわかると思う。どうしても不安が残るという方は種を味見してみるか、根元のほうに残っている葉っぱを確かめてみると良いだろう。
↑葉には特徴的なギザギザがついている。
で、お目当てのものが見つかった後はいよいよ種を収穫する。鞘を触るとはじけて簡単に種がとれるのであらかじめ大きめのゴミ袋などを持って行き、袋の中で枝を揺すると簡単に集められる。これが結構楽しいのだ。
せっかくなのでそのまま味見をしてみると若干の苦みの中に確かにからしのような独特の辛みを感じる。
一粒一粒は非常に小さいため実際に作るときは出来るだけ多めにとっておこう。
ただ、非常に面倒なことに河原の藪の中には大量の虫がいるため一緒に収穫してしまわないように気をつけよう(時期的にマムシなどにも注意が必要である)。
非常に面倒な選別作業
それからなんやかんやで約1時間。
種は粒が細かく、大量に集めると手触りが良い。
途中、同じく河原に大量に生えていた桑の実でリフレッシュしつつ、汗だくになりながらやっとこれだけ集めることができた。
桑の実は自生する果実の中でも売られているだけあってトップクラスに美味しい。
採ってきた鞘はザルなどにかけ、殻と種に分別していく。
収穫に使ったゴミ袋の底に切れ目を入れると取り出しやすい。
と、ここで問題発生。
気をつけていたつもりだったが鞘と一緒に大量の虫が混ざってしまっているのだ。
ある程度の大きさのある虫は(なぜかカメムシ系が多かった)ザルにかける際に一緒に分別できるが、さらに細かい虫は種に混ざってしまって目視で取り出すのは非常に難しいため他サイトを参考に新聞紙にひき日光にさらすことで自然に帰っていただくことにした。
この方法でも多少は残ってしまうだろうが、まあ売るわけでもないし多少混じっていたところで問題ないので潔く諦めましょう。
それも含めて野生の味ってね。(暴論)
調理開始。ービン詰め~実際に挽いていくー
ここからは通常のマスタード作りのやり方に沿って行く。
まずは虫出しの終わった種を瓶に詰め種全体が浸るぐらいにワインビネガー(酢であれば何でもよいので好きなものを使おう)を入れた後、適量の塩とお好みで蜂蜜なども加える。
その辺で採ってきたものを使うので水洗いをしたい気持ちは分かるが水を吸ってしまうとすぐに発芽してしまうらしいので我慢しよう。
それも含めて野生のあ…(略
・・・その後、種がしっかりワインビネガーの水分を吸って1.5倍ほどに膨らんだのを確認したら(大体2~3日前後)これをフードプロセッサーなどで挽いていく。
(1)種を全てフードプロセッサーに。水気が多かったので少し濾してみた。
(2)初めは白っぽく濁っていたが徐々に黄色に。
(3)そのまま挽いていくと完全に見た目も香りもマスタードそのものに!
・・・目が痛い。
発酵過程。そして気になる味は・・・
さあいよいよ最後の工程に入る。
上で作ったものを再度瓶に詰め、常温(30℃前後)で放置し発酵させる(約1~2週間ほど)。
88gの種から約200gのマスタードができた。
ちなみにこの時点でも若干苦みはあるもののしっかりとマスタードの気配が感じられる。
これは非常に楽しみだ。
約1週間後・・・
本来ならば、2週間程度寝かせたほうが良いとのことだったが最近は気温も高く、味見をしたところ十分に味がなじんでいたので試しに食べて見ることにした。
見た目はもう完全にマスタードですね。
いただきます。
・・・おぉ。
普通のマスタードと比べると非常に辛みは鮮烈で、どちらかと言えば和からしの辛さに近い(からし菜なので当たり前だが)。そしてやはり完全に発酵しきっていなかったためか酸味もあるが殻も気にならず完全に馴染んでいて非常に美味しいです。正直、売ってるやつよりも好きかも知れない。
ボイルしたハーブウィンナーにつければ、それはさながら神の味。
辛いのが苦手という方は初めの時点で蜂蜜を多めに入れるとまろやかになって良いでしょう。
おわりに
今回の記事では自生しているからし菜からマスタードを作って食べてみました。
発酵期間が思っていたよりも長かったので微妙な時期の更新になってしまいましたが、多分まだ種の収穫は出来ると思うので皆さんも一度試してみてはいかがでしょうか?
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