侵略的外来種として敵視されている葛も美味しく食べれば全て解決
”侵略的外来生物”と聞くと多くの人がヌートリアや西洋タンポポなどに代表される海外産のものを想像すると思う。
確かに日本に住んでいる以上は日本の生態系に影響を与えるこれらの生物を思い浮かべるのは当然といえば当然のことだ。
しかし、あまり知られていないことだが古くに日本から海外に広がりその繁殖力の高さから非常に大きな問題となっている植物が存在する。
それが今回紹介する”葛”だ。
異様な繁殖力と利用法
画質が荒くて申し訳ないがまずは上の画像を見てほしい。
これは筆者の家の近所(住宅街)を撮った写真だが、この画像内に見える緑色の植物は全て葛の蔓である。
この場所だけではなく今の時期であれば普通に道路沿いや田んぼのあぜ道、川沿いなど土と蔓が巻き付くためのフェンスや植物があればどこでも簡単に見つけることができ、場合によっては他の植物を押しのけ数センチ間隔でぎっしりと生えていることも珍しくない。
また根茎により繁殖するために地上部をいくら刈り取ろうが来年にはさらに増えてまた元気に萌芽するという非常に厄介な植物なのである。
この繁殖力の高さから北アメリカなどで緑化・土壌流失防止用として政府により推奨されたものの大量に増殖し、今日では駆除が進められている。(Wikipediaより)
・・・と、ここまで葛の悪い点ばかりを取り上げて書いてきたが、本来は食用として利用できるほか、蔓は丈夫なため籠を編むのにも使われ古来より重宝されてきた(もともと海外に広まったのも庭園装飾用として利用するためらしい)。
また漢方薬として非常に有名な葛根湯もこの葛の根を乾燥させたものであり非常に有用な野草なのである(ほかに花も薬用として使われる)。
また新芽も食べることができるというのでどうせ刈り取られるのならばもったいないので食べて見よう。
葛の新芽を実際に食べて見よう!
という訳で近所の河川敷にやってきたのだが、今日は水質調査か何かを行っているようで残念ながら河川敷には降りることが出来なさそうだ。
とは言え普通にあぜ道にも大量に生えているので仕方ないのでここからもらっていくことにする。
↑このように新芽には産毛がびっしり生えていて見分けやすい。あまり美味しくなさそうだが調理すると気にならないらしい。
見た目には非常にもろそうだが、触ってみると蔓はしなやかでしっかりとしている。採取する際は先端の柔らかい部分を手で折って頂く。
実際に採りに来るまではそうは言ってもそこまで生えてないだろうと考えていたがほとんど移動せずに10分ほどでそれなりの量を集めることができた。
この時点では「美味しそう!」・・・とは正直思えない。
手元の山菜図鑑で調べてみると”新芽は天ぷらにすると美味。”とのこと。
↑愛用の山菜図鑑。情報量が多いので持っておいて損はない。
初めて食べるのでここは素直に従うことにしよう。
下処理も特に不要とのことなので衣をつけそのまま揚げてゆく・・・
完成。
香りは正直悪くない・・・というか野草の天ぷらとしてはかなり食欲をそそる方だ。
何かに例えろって言われると難しいけど。
まあとりあえず、いただきまーす。
なるほどなるほど。
美味いかマズいかでいうとはっきり言って美味い。
が、てんぷら粉を使ったせいか葛の新芽の味がもともと薄いためかどうか分からないがはっきり「○○見たいな味がする。」というのは無い。
若干もちっとした食感があって香りも良いので総評としては比較的美味しい方ではあるが・・・
うーん、あまりネットに味のレビューが無いなあって思ってたけど確かにこれは評価が難しい。
いや、美味いんだけどね。
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