理論で学ぶ”音学”講座 第3回~簡単なメロディーの作り方~

2019年5月24日

音楽理論を勉強していてもほとんどの人がいざ作曲しようとすると、やはり楽器を弾いたり、口笛を吹いたりあるいは鼻歌を歌ったりしてパッと思いついたメロディーを流用することが多いと思う。

勿論このやり方が悪いという訳ではないが、この方法ではどうしてもその時のテンションや気分によって全くメロディーが思いつかないという時が出てきてしまう。

趣味で作曲をしている人にとってはそれでもいいという人もいると思うが、しかしそれでも好きな時にいつでも作曲が出来るという状態にしておいて損はないので今回はメロディーを理論から作る方法というのについて書いていきたいと思う。

和声に合わせてメロディーを作ってみよう

前回の講座ではカデンツ(終止形)について書いたがここではそのカデンツを利用してメロディーを実際に作っていく。

と、その前にまずは楽句というものについて知っておいたほうが良いでしょう。

楽句というのは簡単に言うと、その楽曲の区切りの事を指します。

例えば曲の構造の中で最も小さいまとまりを、
動機(モチーフ)と呼びこれは同じ曲の中でしばしば使いまわされます。

そしてこの動機を変奏したものを二つ繋げたもの、あるいは全く違う動機を繋げたものを小楽節と言います。

また通常、小楽節は2小節+2小節の4小節で構成されています(あるいはその倍数)。

この小楽節をさらに2つ繋げたもの、あるいは変奏したそれを繋げたものを大楽節と呼び一部形式の楽曲であればここまでが出来た時点で晴れて一曲完成となります。

・・・さて、楽節についての説明が一段落したところで今回のメインであるメロディーの作り方についてですが、まず下の画像を見て下さい。

この画像はカデンツの中でも最も基本的なものであるT-S-D-Tのカデンツですがここで使われている和音の構成音が書いてあります。

この構成音の事を和声音と呼び、和音に重ねるメロディーは基本的にこの和声音の中から使います。

しかし、和声音は三和音においては3つ。この3つの音だけで一小節分のメロディーを作ってしまうと非常に物足りないというかつまらないメロディーになってしまいます。

そのために非和声音というものがあり、この非和声音はメロディーにおいては主に以下の3つに分かれます。

  • 刺繍音・・・和声音から次の和声音に行くまでの間の非和声音の事(例:和音Cにおいてド→→ドのの音を指す)。
  • 経過音・・・和声音から次の和声音につなぐのに順次進行(音階を上・下行すること)を使った場合に含まれる非和声音の事。
  • 掛留音・・・和声音をタイなどで次の和声までつなぎ、その直後に2度進行(全音)で解決(この場合は和声音に繋ぐこと)した場合に生じる非和声音の事。

実際に使われる非和声音には他にもいくつかあるのですがそのすべてをここで紹介すると非常に長くなってしまう上に現時点ではわかりにくいものもあるので今後機会があれば紹介したいと思います。

今の時点でどうしても気になるという方はこちらのサイトに詳しく書いてありますので参照してください。

おわりに

基本的には今回ここで紹介した理論からメロディーを作っていくわけですが、なにせこの辺りは覚えなければならないことがたくさんあるのでこの記事では紹介しきれなかった部分も多々あります。

そういう部分は今後の記事で出来るだけ詳しく書いていきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いしますm(_ _)m

※次回は和音の種類についてさらに詳しく書いていく予定です。