【家庭菜園】キュウリの夏越し。できるだけ長く収穫するには?

2020年8月21日

夏野菜の代表格であるキュウリ。


ウチの庭で採れたもの。真っすぐでトゲがしっかり表れている。

比較的作りやすいため、家庭菜園で作っている方も多いでしょうが、キュウリと言うのは大方においてピーク時には一気に大量収穫できるものの、それが過ぎると一気に株が枯れ、短期間で寿命を終えてしまいがちです。

広い畑を持っている方ならば、時期をずらして種蒔き・植え付けをすることにより対応できるのですが、家の前の庭や、ベランダ等でプランター栽培を楽しむ方にはこの方法はなかなか難しいでしょう。

そこで、今回の記事では一株のキュウリから出来るだけ長期間、収穫をするための整枝・追肥方法について書いていきます。

キュウリを長持ちさせる整枝法


わかりにくいが、四本の支柱に園芸用ネットを張って誘引している。

早速ですが、上の画像は私が育てているキュウリです。
2株ありますが、どちらとも飛び節なり型(※1)小蔓の節に飛び飛びに雌花が付く品種。ほかに”節なり型”があるが、こちらは親蔓の各所に雌花が咲く。です。本来、狭いスペースでキュウリを作る場合には節なり型を選ぶことが多いのですが、今回の整枝法を使うにはこの特徴を持った品種でなければなりません(※2)節なり型はその性質から簡単に早く収穫することが出来るものの、株が枯れるのも早いため。

キュウリを長持ちさせる方法はいくつかあるのですが、まずこの画像をパッと見て、普通とは大きく異なる点があるのですが、分かりますか?

そう。葉っぱの数が明らかに少ないですね。
これは西向きで日が当たりにくいというウチの庭の環境にも関係するのですが、株上部の葉っぱ以外はほぼ全て切り落としてあり、非常に風通しの良い状態を保っています。

こうすることで、べと病などの病原菌が蔓延するのを防ぐ効果があるほか、日当たりの悪い場所にある葉っぱと言うのは養分を食うだけの存在ですから、それを取り除くことによって株をより強くするための栄養を節約しているわけですね。

更に飛び節なり型の場合は、子づるを2~3節伸ばして、そこに実をつくるように仕立てていくのが普通なのですが、例えば上の画像で行くと、ピンクで囲ってある既に伸び切っている小蔓も、右端の実を収穫してしまった後はもう言ってみれば用済みなわけで、これも早めに切り取ってしまいます。

「こんなことを繰り返していれば、そのうちに光合成に必要な葉っぱもなくなるのでは?」

と、思われる方もいることでしょうが、心配無用。

古い小づるを除去した後は左端の青丸で囲ってある、新たに発生した小づるを同じ場所に誘引していけばよい(※3)飛び節なりの場合は、収穫が始まった後も親づるの各節からどんどん小づるが発生する。のです。

そうすれば、その部分にもまた節ごとに実をつけてくれますから、無駄がありませんね。最終的に小づるの発生が止まってしまっても、栄養管理さえしっかりしていれば孫づるを使っても良いですし(実の質は少し下がりますが…)。

そのようにして古い葉っぱをどんどん更新していくことにより、光合成も滞りなく進み、逆に親づるは固く太くなっていくので夏の暑さにも負けない強い株が出来ていき、寒さで枯れるまでは無限に収穫することが出来るのです。

水やり・追肥について

基本的には上の整枝法を繰り返すことによって株を長持ちさせることができるのですが、この方法は小づるや葉っぱを常に伸ばしていかなければならないという特徴から、通常以上に肥料分と水分の管理に気を配らなくてはなりません。

追肥は普通の野菜用化成肥料(有機質を含むものが望ましい)であれば、2週に一回株元に撒き(※4)液肥の場合は週1で、水やりも兼ねて行う。、水やりは雨が降った日を除いて毎日たっぷり行うようにしましょう。
面倒と言えば面倒ですが、これも家庭菜園の楽しみのうちですし、収量を増やすために我慢です。

そうした管理をしっかり続けていけば、狭いスペースでも農家の方のように1株あたり100本収穫も夢じゃない…かも知れません。

 

 

 

 

 

注釈

注釈
1 小蔓の節に飛び飛びに雌花が付く品種。ほかに”節なり型”があるが、こちらは親蔓の各所に雌花が咲く。
2 節なり型はその性質から簡単に早く収穫することが出来るものの、株が枯れるのも早いため。
3 飛び節なりの場合は、収穫が始まった後も親づるの各節からどんどん小づるが発生する。
4 液肥の場合は週1で、水やりも兼ねて行う。