曲を簡単にジャズっぽく出来る”オルタードコード”は使いどころに注意しよう。
ジャズの教則本や楽譜などを読んでいるとたびたび登場する"7alt”と言う表記。普通のセブンスコードとは違うの?と誰もが一度は疑問に思ったことがあるはず。
というわけで、今回はセブンス・オルタードと読む、ある意味特殊なこのコードについて解説していこうと思います。
そもそも”オルタード”ってなんぞ?
完全採譜 ビル・エヴァンスが弾きたくて (模範演奏CD付)より一部引用。
さて、いきなり楽譜の引用になりますが、上はビル・エヴァン編”不思議の国のアリス”の冒頭です。
たった4小節の間にE7alt、A7altと2つもこのコードが登場しており、本作にとってはかなり重要な要素であることが分かりますが、なにもこの曲に限らずとも、リハーモナイズされたジャズ・スタンダード曲にはかなりの頻度でこのコードが出てくるのです。
この7alt(セブンス・オルタード)コードは一言でいうとスケール外の音が使われたテンション・コードの一種なのですが、ただそれだけならば、例えば4小節目のA7をA7(b13)という表記にしても構成音的には全く変わりませんよね。
では、ならばなぜ、わざわざここでは7altと表記しているのか…といいますと”このコードが付いている場所ではオルタードスケールを使ってね”という編曲者の意図が有るとみるべきでしょう。
(単純に『いちいちテンションの音を書くのが面倒くさい』という身も蓋もない理由があったりもします)
ちなみに、オルタードスケールというのは7コードのテンション・ノートを全て含んだスケールのことであり、G7コード(※1)Cmajorスケールにおいてのドミナント・セブンスを例として挙げると上のようになります。
まあ正直なところ、これだけで聴くと気持ち悪いというか、不協和音っぽい響きですがアドリブの際に部分的にオルタードの音を使うことにより一気に”ジャズっぽい響き”を作り出すことが出来るのです。
実際にオルタードを使う時の注意
と、上の見出しで言った通り、確かにオルタードを使うことでジャズ感を出すことは可能なのですが、しかし、本コード(スケール)には短二度音程やトライトーンを複数含むため、使いどころを誤ると何とも言えない不気味な曲になってしまいます。
具体的な注意点としてはザックリ分けて下記の2点があります。
これらをしっかり守れば、まず問題はないです。
1.音と音がぶつからないようにする
当たり前と言えば当たり前ですが、上のような音の配置にしてしまうと音と音がぶつかって響きに違和感が出ます。
短二度、増六度などを使う場合には各音の間隔を離れさせるか、タイでつなぐなどの工夫をしましょう。
2.スケール外の音はしっかり解決させる
以前の記事で”ドミナント・モーションが気持ちよいのはトライトーンが半音進行で解決するから”というような説明をしましたが、オルタードは属7の和音で使われることが多いため、それぞれの音がダイアトニック・スケールの音に進行しないと収まりが悪いです。
上の画像のようにしっかりと解決させましょう。
まとめ
今回の記事では”オルタードコード”および”オルタードスケール”について解説させていただきました。
ちょっと説明が大雑把な部分もありますが、まあ作・編曲に使うだけなら問題はないでしょう()
センスのあるアドリブが出来るようになりたいという人は、これに加えてオルタードスケールを使用した色々なフレーズや、コードごとのアヴェイラブル・スケールを覚える必要がありますので頑張ってくださいね!
注釈
↑1 | Cmajorスケールにおいてのドミナント・セブンス |
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