【作曲】自作の曲を手っ取り早くジャズっぽくしたい!【編曲】

2020年1月22日

今回は、最近とんとご無沙汰だった音楽理論系の記事です。
ここ数日で、なんとなく音楽熱が再燃してきたので、改めて一から勉強し直してきたことをまとめて書いていこうと思います。

テーマとしては一応、”自作曲をジャズっぽくアレンジする方法”という流れで書いていこうと思いますので、「ジャズ好きだけど、理論部分は全く分からない」とか「他のページを見ても専門用語ばっかりでさっぱり読む気が起きない」とか思った人は参考にしてみてください。
ちなみに、専門的な用語個人的に分かりにくいなと感じた部分には、出来るだけ細かく注釈を入れています。

1.スウィング(シャッフル)させる

さて、いきなり音楽初心者には意味の分からない単語が出てきましたので解説します。

スウィング(シャッフル)とは、端的に説明すると連続するふたつの音符のうちの初めの音符の長さは、ふたつめの音符に対して正確に2倍の長さをもつリズムのこと。Wikipediaより一部引用)を指しますが、文章だけではイマイチ理解し難いと思いますので、下に譜例を用意しました。

作曲 ジャズ理論

 

例えば、このような猿でも書けそうな8小節のメロディがあったとします。
とりあえず、まずはスウィングしていないものを聴いてみてください。

いかがでしょうか?
非常に単調で、面白みのないものだったと思います。

では、次に同じメロディをスウィングさせたものを聴いてみてください。


ここで、

後者のものは連続した8分音符の”奇数個目”の音価が長くなっているのに気づきましたか?

スウィング

つまり、上の画像のように”8分音符2つ”を1つの”3連符としてみたときに、一つ目の音価を長くすることによって一種の”タメ”が生まれ、これによってジャズ特有のノリの良いリズムを作ることが出来るのです。

そして、このような状態をスウィングするあるいはスウィングしていると呼びます。

正直スウィングさえしていれば、あとは適当にセブンスコードなどを使うだけでも、もう何となく”ジャズっぽく”なる、というくらい重要な要素ですのでしっかり頭に入れておきましょう。

テンションを使う

お次はメロディにつけるコードの話です。

テンションというのは、7thコード(普通の長・短三和音にもう一つ音を重ねたもの)に対する9th、11th、13thなどの音や、また、それを使ったコードのことを指します(和音に関してはココココの記事を参照)。
これも文字だけだとピンとこないと思いますが、実は先ほどの譜例にも一か所だけこのテンションが使われている部分があったのです。

テンションコード

そう、このAm(add9)という部分ですね。
厳密にいうと、譜面下段のラ・ド・ミに対して、メロディのシ”の音がこのコードにおけるテンションになります。
ルートのラ(A)に対して、短3度・長3度の音を重ねたAmに、さらに短3度のG(ソ)音を重ねればAm7になりますが、そうではなく、その更に3度上のB(シ)音を重ねているので、Am(”add9)という表記になるのです。
そのままですね。

また、テンションに限らず7sus46dim7、♭5など多種多様なコードを使うことによっても豊かな響きが生まれ、これもジャズらしい曲を作るのには欠かせない要素となります。

リズムをシンコペーションさせる

3つ目は、またしてもリズムの話に戻りまして、シンコペーションの解説です。
これは簡単に言うと曲の強拍と弱拍をタイやアクセントなどのアーティキュレーションを使って入れ替えることを指します。

例えば・・・

 

先ほど作った曲で示すと、このようになります。
しばしば4拍目と1拍目がタイによって接続され、強拍が死んでいるのが分かると思います。

これは最初期のジャズであるラグタイムなどにみられる手法で、以後、ジャズの世界では”すべての曲で”と言っても過言ではないほどに使用されています。
ただし使いどころを間違えると、リズムがグチャグチャの気持ち悪い曲になってしまうので、色々な曲を聴いて、使いどころを見極める必要があります。

様々なスケールを使ったリックを入れる

ここまで出来たら、ただ作曲をするだけならもうほぼ完璧ですが、仕上げにフレーズの合間に適切なリックを入れると、よりカッコ良くなります。
リックとは、主にブルースやジャズの即興演奏などで良く使われる、決まった短いフレーズのことで、これはコードに合わせた様々なスケール(音階)を使って作られているため、組み合わせはほぼ無限といってよいほど大量にあります。

主にジャズで使われるスケールには普通のメジャースケール・マイナースケールに加え、クラシックでも使われるメロディック・ハーモニック(マイナー・メジャー)スケール。ほかには、マイナースケールの第3・5・7音目を半音下げた、ブルー・ノート・スケールが有名ですが、即興性の強いモダンジャズなどにおいては全く別の教会旋法なども使われることがあります。

 

ここでは、一般的なスケールを使ったリックを入れてみました。
4小節目にはGメロディック・メジャースケール、7小節目にはAmの分散和音を挟んであります。

最後にもう一度、最初のテーマを聴いてみてください。

どうでしょう、初めに比べるとかなりジャズらしくなったと思いませんか?

終わりに

今回の記事では一つのメロディを例に、実際に順を追ってテクニックを使用しながら”ジャズっぽい曲の作り方”について解説しました。
ここで紹介したテクニック以外にも、分数コードなどより複雑な和声の理論や、音楽の進化とともに出来た全く新しい進行なども多数存在し、一生かけても全て修めることは不可能とも言えるほどにジャズの世界は広く深いです。

しかし、逆に考えれば、常に自分に満足することなく楽しみながら死ぬまで音楽に没頭することが出来れば、もしかすると今の自分では想像かもできないような素晴らしい曲が完成するかもしれません。

私自身も音楽に関しては全くの独学なので、勉強にはかなり苦労しましたが、あきらめずに時間をかければ不可能ということはありません。
皆さんも頑張ってください。

講座ジャズ

Posted by ry0_803