完全楽器「ピアノとギターどっちを始めるか」問題について【DTM・作曲】

前回の記事で作曲、DTMを始めるならピアノを始めるのが成長の効率が良いということを書きました。

その際には、「あるジャンル」の音楽のポイントやツボを体にしみこませるためには、楽器を弾いたりコピーをするのが手っ取り早いという事と、
それを行う際、メロディ・リズム・ハーモニーを同時に奏でることのできる完全楽器をやるのがよく、そのためにピアノがお勧めである。
と、大体まとめるとそんな感じのことを書いたと思いますが、完全楽器というとギターも含まれますので、なぜそれをさしいおいてもピアノがよいのか、疑問に思われた方もいるでしょう。

実際、これから作曲がしたい方、ある目的があって楽器を始めたいけど何が一番それに合うのかわからない、という方もおられるかと思いますので、今回の記事では

DTM・作曲をするにあたってなぜピアノが向いてるのか
また逆にギターが向いていることは何なのか

ということについて書いていきます。

※はじめに

まず、本文に入る前に大前提として、あくまでここでは作曲・DTMを目的として、理論を学んだり、打ち込みをしたりすべて含めて「効率的に」やるには何が良いか。
について書くもので、じゃあピアノをやらないと作曲できないとか、ギターをやれば損するとかそういうことでは全くないですし、すでにやりたい楽器があるなら、それをやっても結局は役立つことになるので、「絶対にこうしろ!」というわけではありません。

あくまでも、向き不向き、効率、という点のみに絞って書いたので、あしからず。

ピアノとギター。向き不向き。

ピアノとギターはどちらも完全楽器である、という点においては近い楽器なのですが、実際の曲中ではしっかり使い分けられていることからも分かるように当然、全く違った楽器でもあります。

では、どういう違いがあるのか?

例えば先ほど完全楽器というのは音楽の三要素であるメロディ・リズム・ハーモニーを同時に奏でられる楽器というように説明したかと思いますが、同じ完全楽器といえど、それぞれに向き不向きがあって、その3つの要素をそれぞれ全く同じ配分で得意としているわけではないんですね。

より簡単に説明するため、誤解を恐れずにザックリいうと、

・ピアノはどちらかというと、特にメロディ・ハーモニーの表現を得意としている楽器。
・ギターはどちらかというと、特にリズムを表現するのがピアノよりも得意な楽器。

これをもう少し細かく説明すると

・前者は複雑な和声、ボイシングなどを表現でき、かつ同時に複雑なスケール・跳躍のあるメロディも表現できる。
・後者はピアノに出来ることが部分的に不可能な(場合がある)代わりに、ゴーストノートや空ストローク、スラム奏法など、リズムの表現に幅がある。

という違いがあるわけです。

で、本題の『なぜ作曲においてピアノをオススメするか』ですが、
音楽において(ジャンルによっての違いもあります)どちらかと言えば重きを置かれるのがメロディ・ハーモニー面で有り、またそれに付随する音楽理論を学ぶにおいても、大抵は鍵盤や五線譜を使って説明されるため、トータルでいうとピアノをやった方が都合が良い場合が多いということになります。

これはリズムが不要、というわけでは決してなく、
ただリズム感というのはコード感や音楽的な他の表現と違って、多少の差はあれど大半の人にもともと身についているものですし、ポップスやごく一般的な曲を作るにおいてはピアノをやる過程、曲を作る過程において必要な分は自然に身についていくと思うんですよね。

もちろん、打ち込みにおいてギターが弾けて役立つことも多いので両方弾けるに越したことはないのですが、作曲から編曲まで自分でやろう、という所を目指すのであれば圧倒的にピアノをやる(と同時に耳と音楽的感性を鍛える)のが一番効率的でしょう。

まとめ

ピアノとギター、どちらにも得手不得手があり、ここでは作曲初心者の方が効率的に音楽を学びつつ、曲を完成させられるというところを考え、ピアノをオススメしました。

しかし、当然ギターはギターで良い点もありますし、例えば”作曲まで”、つまりコード進行に乗せてメロ(歌)を付けるというところまでなら、ギターの方に軍配があがることでしょうし、編曲においてもギターのパートを入れる場合、弾ければ圧倒的に時短にもなります。

ただ、実際にギターでプロとして活躍している人も幼少期にはピアノをやっていた、というケースが多いように、ピアノというのは初めに音楽的な感性や、考え方、基礎を身に着けるのに最適な楽器なのです。
(のちにギターをやるにしても、習得スピードは間違いなく変わります)

というわけで、「どっちから始めようか迷う」「色々な曲を作りたいけど何から始めればいいか分からない」という人は、まずピアノを始めましょう!
音楽を続けるのであれば、やって損することは絶対にないので。

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Posted by ry0_803