キノコ界のはんぺん”オニフスベ”を食べて見た。
関東地方や太平洋側では、そろそろ日本のポルチーニでおなじみの”ヤマドリタケモドキ”など夏のキノコたちが出始めているらしい。
しかし、私の住んでいる京都府ではまだのようで先日、山に入った時も大量のキクラゲが生えていたのみで、お目当ての夏キノコは全く見つけることが出来なかった。
この画像の範囲で大体1㎏くらい。
とは言え、”やっぱり山の上と平地では条件が全く違うよな~”とか思いながら諦めきれず、先ほど松ぼっくり探しついでに近所の公園に行ってみると・・・
ん・・・?
触ってみると非常に柔らかく、まるでスポンジのようだ
オニフスベだ!!!!!
オニフスベは日本特産のハラタケ科(旧ホコリタケ科)の夏から秋に発生するキノコで、成熟したものはキヌガサタケなどと同じくグレバを発するためアンモニア臭がするが、幼菌~未成熟の間は食用にもなるらしい。
以前から図鑑などで見ていた憧れのキノコの一つなので、持って帰って食べて見ようと思う。
はんぺん?ジャガイモ?謎のキノコ
というわけで、比較的見た目の綺麗なものを2つ持って帰り、実際に調理することにした。
とりあえず2つに割ってみよう。
えいっ。
パカッ。
手触りがスポンジのようなので包丁で切れるか心配だったが、いとも簡単に真っ二つに。この時点で内部が紫褐色のものは食べられないので気をつけよう。
ちなみに香りは若干甘さを伴った菌臭と言う感じで特筆するものない。
軽く調べてみると、バターソテーや揚げ物などに用いられるらしい。今回は初めて食べるためそれに倣って調理していくことにする。
まず、一口サイズに切ってバターを引いたフライパンに並べていく。
明らかに味とかなさそうなので醤油をかけてみると
・・・うん、はんぺんだね!
すでに香りは醤油に上書きされてしまい、もはや元がキノコだったとは信じられない。
・・・まあ、これはこれで良いとして次、揚げてみよう。
オニフスベに限らず、キノコ類はしっかり火を通さないと毒の無いものでも中毒(腹痛など)することがあるため、じっくり揚げていく。
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~ 3 分 後 ~
フライドポテトじゃねーか!!!
炒めていた時は全く問題なかったのに、なぜか揚げている途中で徐々に固くなっていき最終的にはファミレスの安いポテトのような見た目になってしまった。
どうしてこうなった。
・・・しかし、逆に考えれば何だか分からない変な形なキノコよりも食べやすくなったと言えるのではないだろうか?いやそんなことは無い。
まあ、ここまでやったんだからちゃんと食べるけどね。
実 食 。
正直言ってあまり食欲はわかないが、私も野食家のはしくれ(いつからそうなった)採ってきたものの命を無駄にするようなことはしません。
どこからどう見てもはんぺんである。
まずはバターソテーのほうから行ってみましょうか。
・・・醤油の味しかしねぇ。
気をつけて食べて見るとほんのり甘い香り?というか味?はあるのだが、醤油の存在感が強すぎて素材の良さが全く活きていない。
食えるっちゃあ食えるが、これはちょっと失敗かも知れない。
・・・さあ前座が片付いたところで、いよいよ問題の揚げフスベ行ってみようか。
どこからどう見てもしなしなのフライドポテトである。
さあ、覚悟を決めていただきま~す。マッッッズ!!!!
改行する暇もないほどすぐに感じる驚きのマズさ。
先人たちの事を考えるとあまり自然の食べ物を悪く言いたくはないが、これは正直言って食べられないです。
何とも言えない風味で詳細な味を伝えるのはこれまた難しく、なんとなく嫌な味としか言いようがない。無理やりにでも一言でいうとすれば”菌の味”と言う感じだろうか。
揚げている間に油を吸ってしまったのもひとつの要因だとは思うが、もしかすると少し育ちすぎていたのかもしれない。
まあ、次に見つけてもわざわざ採ってきて食べようとは思わないかな。
食味評価:バター炒めは”C”、素揚げは文句なく”F”(F~S+まで)
希少価値:D-
総合評価:F…いや、”E”
(五段階評価)
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