香りの良い早春の山菜たちで色々な”ふりかけ”を作ってみた。

シソふりかけってあるじゃないですか?


商品名だと”ゆかり”が有名ですね。

私自身は結構シソ自体が好きなので、たまに買っておにぎりに混ぜたりするんですが、あれって自分でも作ろうと思えば塩だけで簡単に作れるらしいんですよね。
時期さえ合えばシソはその辺で採ってくればいいし、実質タダみたいな値段で。

で、つまりシソでも出来るということは他の香りの良い野草や山菜たち簡単にふりかけに加工して保存しておけるんじゃないの?と私は考えたのです。
特に今の時期から出始める早春の山菜たちは香りの強いセリ科がメインなので、タイミング的にも完璧ですね。

というわけで今回は、早春の香味山菜で色々なふりかけを作って試してみましょう。

色々な野草でふりかけ作り


採った時は蕾だったフキノトウ、水に漬けて置いといたら花が咲きました。どうやって養分を作っているのだろうか。

とりあえず以前の記事でも紹介した近所の山でミツバ・シャク・ふきのとうを採取してきましたので、まずはこの3種をふりかけにしていきます。

はじめはミツバから。
採りたてをサッと水洗いして…

あとは基本のレシピ通り、粗みじん切りにしたあと軽く塩もみ。

で、中火で熱したフライパンでカラカラになるまで炒めます。

シソふりかけの場合はここでシラスやゴマなどを加えるようですが、今回は”どの野草が最もふりかけに向いているのかというのを分かりやすくするために他の具は何も入れないようにします。


しかし火を通すと量が減るね~。美味しかったらもっと採ってこないと…

同様の工程でシャク・ふきのとうも加工しました。
で、このままこいつらだけで食べ比べても良いのですが、せっかくなので…

当サイト常連のチャノキの葉でもやってみましょう。

ミツバやシャクを炒めているときに、なんとなくほうじ茶っぽい香りがしたので何となく思いつきました。
まあ世の中には抹茶ご飯とか緑茶ご飯とかがあるくらいですから合わないこともないでしょう。

茶葉は他の野草と違って固いため、一度蒸して柔らかくしてから加工します。

しっかり火を通して…

刻んでから塩もみします。
あとは軽くフライパンで乾燥させれば

完 成 。

実際に食べ比べてみる

さて、とりあえず4種類のふりかけが完成したので、さっそく食べてみましょう。
白ご飯にかけて…いただきます!

ミツバ

全くミツバ感が無い。

セリ科特有の何とも言えない爽やかな香りはごくわずかに感じられますが、それよりもお茶漬ノリに入っているアラレに近い香ばしさが強いです。
ちょっと煎る時間が長すぎたためか若干の焦げ臭さもあり、マズイと言うわけではありませんが、わざわざミツバを使う必要性が感じられず、正直あんまり・・・

シャク

そもそも香りが弱い。

葉っぱが柔らかいからか、なんとなくモシャモシャとしていて噛んでも噛んでも終わりが見えません。
ミツバと比べて良くも悪くも香りがほとんど無く、ずっと噛んでいるとなぜか少し苦くなってきます。
マイナス要素が多すぎて、今回作ったものの中ではこれが一番ダメかも。

シャクは生食が一番だね!

フキノトウ

乾燥してなお強い、春の香り。

やはり流石と言うべきか、フキノトウはカラッカラになるまで乾燥させてもしっかり香りが残っています。
ただ、アク成分のせいか少しだけ苦みがあり、私はその点が少し気になりますね。
ただその苦みも考えようによっては個性として収まる程度のものなので、山菜が好きな人にはむしろ良い点かも…全体的な評価としては悪くないです。

茶葉

ちょっと焦げ臭いが・・・?

いよいよ本記事のダークホース、チャノキの葉っぱの登場。
まず、葉自体が固いからか塩気がしっかり浸み込んでおらず、味が薄いのは多少のマイナス。しかし、茶葉の香りはあるためその点でご飯とはよく合います。
よく考えたらお茶漬ってのがあるくらいですし、合わないわけないよね。

少し焦げ臭さもありますが、それもお茶の風味と合わさることで香ばしさとして感じられます。

ふりかけも悪くないけど

色々やってみた結果、山菜類はやっぱり普通に食った方が美味いかなーと思いました(この記事全否定じゃん)。
というのもよく考えてみれば当然のことで、多くの植物の香りのもととなっている精油成分は揮発性のため、煎って水分を飛ばした時点で香りも一緒に飛んで行ってしまうんですよね。

茶葉に関しては、火入れを行うことで成分が変化して更に香りが複雑になるそうですが、これはかなり特殊な例ですので普通の山菜類ではむしろ特徴を殺しているだけかも・・・

1番初めに例として挙げたシソはそれ以上に元の香りが強いので、ふりかけとして成り立ちますが、やはりこれも全体で見れば特例ですね。
天ぷらやソースにもなるシソってやっぱり凄いんだなあ。